『これからのお医者さんは・・・』

「医者は40代で英語ができる人がいい」2004年7月、故田原節子さん最後のテレビ出演(NHK生番組『生活ほっとモーニング』)で述べた言葉である。 最後の力を振り絞るように、ゆるりゆるりと話し出した途端、スタジオはシーンとした普通でない雰囲気になったのがテレビを見ている方にも伝わってきた。まさに思いのたけをたたきつけるような語りだった。彼女が言いたいことを通訳するとこうなる。

 

40代
気力、体力上々にして、まだまだ勉強する意欲にあふれる年代。治療の第一線にあって経験をつみまくっている。言い方をかえると、一番こき使われる年代。乳腺外科で言うなれば、手術数多く、切りまくっている年代。しかし、多忙を極めても気力、体力上々! 乳がんは一旦患うと、治癒はあるが、完治はないと言われている。従って長い、長い乳がん治療への道のりとなる。患者側からみると20年前後は付き合ってもらえそうだなという年代でもある。

 

英語ができる人
海外の旬な医学情報がすぐとれる人。JCCNBの中村清吾代表理事は、今や乳がんの治療は日進月歩ではなく、秒進分歩と言う。そのくらい乳がん治療の進歩は早いということであろう。患者側からしてみると、追っかけるスピードが、進歩のスピードを下回らないことを願うのみである。